産後にやってはいけない姿勢って?腰や骨盤に負担の少ない座り方・立ち方

産後ママ

産後に姿勢が悪くなった。そのせいなのか、いつも腰が痛いです

ヨガ講師
さとみ

妊娠・出産は、女性の体に体が大きな変化をもたらします。その中でも特に軽視できないのが、姿勢の変化です。

猫背や反り腰がクセになるママが多いですが、不良姿勢が続くと腰痛や骨盤の歪みを引き起こすリスクが高まり、産後の体の回復を遅らせる可能性があります。

この記事では、産後に避けたほうがいい姿勢や、腰や骨盤に負担をかけない正しい座り方や立ち方について詳しく解説します。

産後の体を労り、スムーズな回復を目指すために、ぜひ参考にしてください。

1.産後にやってはいけない座り姿勢

まずは産後に避けたほうがいい座り姿勢についてお伝えします。

1-1.前かがみの姿勢

骨盤を後ろに傾け、背中を丸めた姿勢を続けると腰や背中に大きな負担がかかります。

産後は特に授乳中に前かがみになりやすいです。授乳の際は背筋を伸ばし、必要があればクッションを使って背中をしっかり支えましょう。ママが前かがみになるのではなく、胸の高さまで赤ちゃんを持ち上げます。

1-2.足を組む

足を組むと骨盤が左右非対称に傾き、歪みの原因となります。産後の骨盤は特に不安定なので、足を組む姿勢は避けたほうがいいです。

足を組むことに気がついたら、すぐに足を戻すようにしましょう。足を組まない習慣づけをすることで少しずつ改善されていきます。

2.腰や骨盤に負担をかけない座り方のコツ

ここでは、腰や骨盤に負担をかけない座り方のコツを紹介します。

2-1.骨盤を立てて座る 

正しい座り方の基本は、骨盤を立てて座ることです。

まずは椅子に深く腰掛けます。軽く背筋を伸ばし、体を左右にゆらゆら揺らすと、ゴリゴリとした「坐骨」が感じられるかと思います。

この坐骨の上に上半身を乗せるように座るのが正しい姿勢です。

骨盤が前後に傾かないように、必要があればクッションを腰の後ろに挟むことで、自然な背骨のカーブが維持され腰痛の予防になります。

2-2.足を床にしっかりつける

足が床につかない状態だと、姿勢が安定しません。椅子に座る際には、足がしっかり床につく高さの椅子を選びましょう。

足を組まずに、両足を肩幅程度に開いて座ることで、骨盤が安定しやすくなります。

2-3.膝と腰の高さを同じにする 

座ったときに、膝と腰が同じ高さか、少し膝が下になるくらいが理想的です。膝が腰よりも高いと骨盤が後ろに倒れ、腰に負担がかかります。

注意点

長時間の座りっぱなしは避けて!

長時間座ると血行が悪くなり、骨盤や腰回りに負担がかかります。厚生労働省のガイドラインによると、長時間の座り姿勢をできるだけ避け、30分に1回程度を目安に休憩を取り、少しでも体を動かすことを推奨しています。

産後は特に筋力が弱くなっているため、座り続けることで姿勢が崩れやすくなります。定期的に立ち上がってストレッチをするなど、体を動かすことを心がけたいですね。

3.産後にやってはいけない立ち姿勢

次に産後に避けたほうがいい立ち姿勢について解説します。

3-1.スウェイバック姿勢(猫背姿勢)

スウェイバック姿勢とは、骨盤が前に出て上半身が後方に傾いた状態を指します。

この姿勢が続くと、背中や腰の筋肉が過緊張し、痛みを引き起こすリスクが高まります。

また腹筋群や臀筋が弱くなり、背中やハムストリングスの緊張状態が続くことで、筋肉のアンバランスが生まれさらに姿勢を悪化させる原因にもなります。

3-2. 片側の肩で赤ちゃんを抱く

片側の肩や腕ばかりで赤ちゃんを抱くと、肩こりや背中の痛みを引き起こし、骨盤の左右差が生まれる原因にもなります。

重心を乗せている方の筋肉(特に腰方形筋や中臀筋、小臀筋)が過度に緊張し、もう一方が弱くなるため、筋肉のバランスが崩れます。

3-3. 反り腰の立ち姿勢(立ち姿勢)

産後は腹筋が弱くなっているため、反り腰になりやすい傾向があります。

この姿勢は腰に過度な負担をかけ、腰痛の原因になります。骨盤を立てて、背筋を伸ばすような立ち姿勢を心がけることが大切です。

3-4.膝を伸ばしきって立つ 

妊娠中は重心が変化するため、安定性を保つために膝をロックしやすくなります。そして産後も膝を伸ばし切る癖が抜けない方は意外と多いです。

膝を完全に伸ばして立つと、ももの筋肉が適切に使われなくなり、骨盤の安定性が損なわれ、膝関節にも負担がかかりやすくなります。

4.腰痛・骨盤のズレを防ぐ正しい立ち方のポイント

続いて、腰や骨盤に負担をかけない立ち方のコツを紹介します。

4-1.つま先を真っ直ぐ正面に向けて立つ

足のつま先が真っ直ぐ前を向くように立ちます。外股や内股は、骨盤の歪みを引き起こす原因になるので、足は肩幅に広げ、左右の人差し指が平行になるようにしましょう。

日本人は外側重心の方が多いです。足裏の4点(親指の付け根・小指の付け根・かかとの内と外)で均等に床を踏みしめる意識を持ちつつ、少しだけ親指の付け根で床を強く押すと土台の安定感が増し、疲れにくい立ち方となります。

4-2.骨盤底を意識する

骨盤底筋群は立ったり、歩いたりするときに骨盤を安定させる役割を担っています。

足裏で床を踏みしめながら、骨盤底を軽く引き上げる意識を持つと、自然と下腹部が引き締まり背筋がすっと伸びる感覚が味わえるのではないでしょうか。

骨盤底筋群は特に出産でダメージを受けやすい筋肉でもあるので、こまめに鍛えることで姿勢が安定しやすくなります。

4-3.骨盤を水平に保つ

座り姿勢と同様に、立ち姿勢でも骨盤の傾きは大切です。

鏡で横から自分の姿勢をチェックしてみると、骨盤の位置がわかりやすいです。

骨盤が後ろに倒れないよう、腰を反らしすぎずに立つことを意識します。

5.まとめ

産後の回復力を高めるためには、正しい姿勢を心がけることが非常に重要です。

出産後は体幹部の筋肉が衰えている影響で、無理な姿勢や体の歪みが起こりやすく、それが痛みや不調の原因となることがあります。

特に授乳や赤ちゃんのお世話で前かがみの姿勢になりがちですが、背筋を伸ばし、骨盤を安定させることを意識することで、体への負担を軽減しやすくなります。

また、正しい姿勢を保つことにより、血流が促進され、筋肉や関節の回復がスムーズに進む効果も期待できます。

日常生活での姿勢に気を配り、産後の体力回復や健康維持につなげてくださいね。