子どもに叱ってしまった朝も、きっと大丈夫――心にやさしく向き合う練習

朝の支度中、子どもにイライラしてしまい、つい叱ってしまった。

本当は穏やかに送り出したいのに、バタバタと時間に追われるうちに、きつい言葉が出てしまう。

こんな朝、きっと誰にでもありますよね。

実は私も、先日そんな朝を過ごしました。

食器はシンクに残ったまま、子どもはマイペースで準備をしていて、登校時間が迫ってくる。気づけば呼吸も浅くなり、イライラが募っていきます。

「早くして!」という強い声が出た後、ふと我に返り、自己嫌悪に陥りました。でも、そんな日こそ、ヨガの哲学が教えてくれる大切なことを思い出します。

“アヒンサー(非暴力)”は、まず自分自身に向けて

ヨガの八支則のひとつ「アヒンサー(非暴力)」は、人に対して暴力をふるわないという意味だけでなく、自分を責めすぎないことも含まれています。

「イライラした」

「怒ってしまった」

それは、決してダメなことではありません。むしろ、それだけ日々を頑張っている証拠です。

自分にも子どもにも、完璧を求めすぎていないか?心の余裕が足りていないのかも?

そうやって少し立ち止まって、自分に問いかけてみることも、やさしさのひとつかもしれません。

ゆるむ時間は、未来の自分を育てる時間

「ちゃんとやらなきゃ」

「このままでいいのかな」

休んでいる時間でさえ、心がそわそわして落ち着かないこと、ありますよね。

ヨガをしていても、「もっと有意義に時間を使わなきゃ」と、どこかで自分を責めてしまう。

でも、それってあなたがちゃんと頑張っている証でもあるのです。

家のことも、子どものことも、そして自分のこれからも大切に思っているからこそ、心が忙しくなってしまう。

だけど、人って「ゆるむ時間」がないと、前に進むエネルギーがたまらないものなんです。

「今は未来のために、あえて休んでいる」そんなふうに思えたら、ほんの少しでも罪悪感がやわらぐかもしれません。

好きなお茶を淹れて、ソファに座ってゆっくり飲む。

お気に入りの音楽を聴きながら、外を歩いてみる。

青空を見上げたり、少し冷たい風や花の香りを感じたり。

ほんの数分でも、それだけで肩の力がふっと抜けて、「大丈夫」と気持ちを切り替えられることもあります。

やさしい呼吸と、やさしい言葉を、自分にも

毎日、子どもに怒鳴ってばかりでしんどいママへ。

まずは、目を閉じて、深くひと呼吸してみてください。

その息が、心の奥まで届いて、今日のあなたをふんわり包み込んでくれるように。子どもにかける言葉と同じくらい、自分自身にもやさしい言葉をかけてあげましょう。

叱ってしまったことも、立ち止まって心を整えようとしていることも、どちらも等しく「大切な自分」の一部です。どちらも、あなたが丁寧に生きようとしている証です。

おわりに

ヨガの時間は、ポーズをとるだけではなく、「今の自分にやさしくする」練習の時間でもあります。

忙しさやイライラに飲み込まれそうな朝も、自分の内側に戻ってくる場所があることを、どうか忘れないでください。

あなたの今日という一日が、少しでもやさしい気持ちで過ごせる時間になりますように。