産後の運動はいつから?体力回復や体型戻しにおすすめの運動

産後ママ

出産してから、運動不足に悩んでいます。産後の運動っていつから始めたらいいの?

ヨガ講師
さとみ

産後の運動は産褥期を過ぎた頃(産後6週から8週以降)から少しずつ始めるのがおすすめです!

この記事では、産後の運動不足に悩むママ向けに、産後の運動を始める時期とおすすめの運動についてお伝えします。

手軽に運動を取り入れるヒントもお伝えしますので、無理をせずできることから始めてみてくださいね。

1.産後の運動はいつから始められるの?

赤ちゃんを産んでから、妊娠や分娩によって変化した母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間を「産褥期(さんじょくき)」と言います。産褥期は通常、分娩後6週間から8週間です。

産褥期はなるべく休息を優先して過ごし、産後1ヶ月検診で医師から「通常の生活に戻していいですよ」と言われたら、ウォーキングやヨガなど、負荷の少ない運動を無理のない範囲で継続するといいでしょう。

(帝王切開の場合は、分娩後12週以降が目安と言われています)

産褥期の過ごし方

産後の週数望ましい過ごし方
1週から2週・入院中と同様に赤ちゃんのお世話と授乳以外は、休息を優先する
3週から4週・無理のない範囲で簡単な家事を始める
・近所の買い物や散歩を始めてもいいが、重いものを持つのは避ける
5週から6週・1ヶ月検診を受け、産後の回復が順調であれば、ほぼ元の生活に戻してもいい
6週以降・負荷の少ない運動から無理のない範囲で体力作りを再開する
参照元:お産後の生活の目安(日本赤十字社)

産後ヨガのクラスを開催しているヨガスタジオの参加対象者をみても、「産後8週を過ぎた方」としているところがほとんどですので、産褥期を過ぎたタイミングが産後の運動を安全に再開する時期として適していると言えます。

2.産後の運動時間は週に150分以上

産褥期を過ぎたら運動を再開してもいいことは分かったけれど、毎日どのぐらい運動すれば、産後に衰えた筋力や体力が回復し、健康的な生活が手に入るの…?と気になるママも多いでしょう。

世界保健機関(WHO)が発表している、母親と新生児のケアにまつわる推奨事項(※1)によれば、「(医師などから)特に禁じられていない限り、すべての産後女性は定期的に体を動かすこと」が推奨されており、

より健康になるために必要な運動時間の目安は、「1週間を通して少なくとも150分以上」と記されています。

ヨガ講師
さとみ

週に150分以上の運動を目安すると、最低でも毎日20分は体を動かす必要があります。

週3日ペースで運動するなら、1回あたり50分という計算になります。これってけっこうな運動量ですよね……。

3.手軽に運動を取り入れるヒント

産後ママ

健康維持のためにも運動習慣を身につけたいけれど、現実は子育てに忙しく、自分のことは後回しにしがち。自分のために体を動かす時間や気力がない…

私のヨガレッスンに参加されているママさんからこんなお悩みを聞くことがよくあります。

そして実は、私も産後は子育てや家事に追われて、運動不足に悩んだ時期がありました。

子連れでヨガスタジオに通ったり、自宅でストレッチの動画を見ながら体を動かしてみたり、運動習慣を身につけるために色々と試しましたが、ズボラな性格ゆえ長続きせず……。

運動が続かない自分自身に「ああ、やっぱりダメだった」と嫌気がさしてしまうんですよね……。

ヨガ講師
さとみ

何度も運動に挫折した私がおすすめする、運動を継続させるコツは、

「隙間時間に1分だけでも体を動かすこと」です。

育児中って意外と隙間時間ができませんか?

子どもがお昼寝していたり、大人しく一人遊びをしてくれていたり。

そういう時、なにげなくスマホでSNSやニュースをチェックしてしまうママも多いと思うのですが、その時間にちょっとストレッチを取り入れるだけでもいいんです!

例えば、「肩こりがひどいなぁ」と思ったら、肩回しや伸びをする。スッキリして気分が乗ってきたら、500mlのペットボトルをダンベル代わりに二の腕の筋トレもプラスするという感じです。

「毎日必ず30分ヨガをする」などルールを決めてしまうと、できなかった時に落ち込んで、ストレスになりやすいのでおすすめしません。

でも、1日1ポーズなら無理なく続けられそうな気がしませんか?

  • 寝る前に足首を回す
  • 歯磨き中にスクワットする
  • 授乳中に丁寧に呼吸をしてインナーマッスルを鍛える

など、運動のハードルを下げて、日常生活の中に手軽に体を動かす習慣を取り入れてみてくださいね。

産後におすすめの運動

産後は体力や筋力が低下しているママがほとんどなので、負荷の少ない運動から始めるのがおすすめです。

①ウォーキング

ウォーキングは軽い運動で体に負担をかけすぎることなく、さまざまな健康効果をもたらします。

妊娠中や産褥期の運動不足で衰えた体力や筋力を徐々に回復させ、特に足腰の筋肉強化につながります。

産後の体に優しい形で脂肪燃焼を助けますので、産後の体型戻しにもおすすめです。

また産後のウォーキング(有酸素運動)は、「軽度から中程度のうつ症状を改善する」という研究結果(※2)も明らかになっています。

ヨガ講師
さとみ

私は家の中で子どもと二人きりで過ごしていると、孤独感が強くなり、メンタルが不安定になりやすかったので、意識的に外に出るようにしていました。

子どもを連れて歩くと「今何ヶ月?」と声をかけられることが多く、偶然出会ったママさんたちとのおしゃべりを通して、社会的なつながりを感じることもできて、リフレッシュにつながりました。

ウォーキングをする時は、スリッパやぺたんこ靴ではなく、クッション性の高いスニーカーを履きましょう。

階段や坂道はなるべく避けて、平坦な道を選ぶようにすると、膝への負担が少なく、安全に体を動かすことができますよ!

②ヨガ

ヨガは体の柔軟性を高めながら、産後に衰えた体幹部のインナーマッスルを回復させる効果が期待できます。

ヨガの呼吸法は、産後は寝不足などで乱れやすい自律神経の調子を整えることにもつながり、自分自身に意識を向ける時間を持つことで、心身ともにリフレッシュすることができます。

ヨガには多くの種類があり、強度が異なります。産後にヨガを始める際は、「初心者向け」「リラックス」「産後ヨガ」「ママ&ベビーヨガ」「リストラティブヨガ」といった名前が付いているクラスを選ぶと、強度が低めで無理なく体を動かすことができます。

まとめ

産後の運動は、通常、自然分娩であれば約6〜8週間後、帝王切開の場合は12週間後を目安に始めるとされていますが、医師の指示を優先することが大切です。

まずは軽いウォーキングやストレッチから始め、体力回復を目指しましょう。骨盤底筋のエクササイズや、産後ヨガなどが体型戻しに効果的です。

これらの運動は体に負担をかけず、筋力を徐々に回復させるのに役立ちます。無理をせず、自分のペースで少しずつ取り組んでいきましょう!

主な参考文献

※1:WHO recommendations on maternal and newborn care for a positive postnatal experience(WORLD HEALTH ORGANIZATION)

※2:McCurdy, Ashley P. BKin, BA; Boulé, Normand G. PhD; Sivak, Allison PhD; Davenport, Margie H. PhD. Effects of Exercise on Mild-to-Moderate Depressive Symptoms in the Postpartum Period: A Meta-analysis. Obstetrics & Gynecology 129(6):p 1087-1097, June 2017.