産後に肩こりがひどいママへ!ヨガ講師が教える「肩こり解消ストレッチ」
いつも肩が重くて、ひどい時は頭痛が起きることもあって、夜も肩の痛みでぐっすり眠れません…
育児中は赤ちゃんの抱っこや授乳で肩や首に負担がかかって、知らず知らずのうちに肩こりがひどくなってしまいますよね。
夜もゆっくり休めない日々が続く中で、肩の痛みまで加わるのは本当に大変だと思います。
出産後、多くのママが経験する「肩こり」。育児の疲れに肩こりが重なることで、心身の負担を感じているお母さんが少なくありません。
特に出産後は、ホルモンバランスの変化や育児中の姿勢の影響で肩こりがひどくなりやすい傾向にあります。
この記事では、産後の肩こりの原因を解説した上で、肩こりの解消に効果的なヨガのポーズやストレッチを紹介します。
少しでも楽になれる方法を見つけて、体をいたわってくださいね。肩の負担が少しでも軽くなるように、お手伝いできることがあれば嬉しいです。
1.産後の肩こりの原因
赤ちゃんの抱っこや授乳など毎日のお世話が続くなかで、気づけば肩や首に張りや疲れを感じてしまうことも多いのではないでしょうか。
産後の不調・疼痛についてアンケート調査によると、3 歳以下の乳幼児を育児中の女性115 名のうち56.5%の女性が「肩の痛み」に悩まされることが明らかになっています。
産後の肩こりの主な原因には、次のようなものがあります。
1-1.抱っこや授乳による筋肉の疲労
赤ちゃんを抱っこしたり授乳する時間が増えることで、産後のママの肩や首には大きな負担がかかります。
特に授乳では、どうしても前かがみの姿勢を長時間保つ必要があるため、肩や首の筋肉が緊張し、血行不良を引き起こしやすくなります。
また、赤ちゃんの体重が増えるにつれて、抱っこ時に腕や肩にかかる負担も増大します。肩だけでなく、背中や腰まで疲労が蓄積し、姿勢も崩れやすくなるため、筋肉の疲労が慢性化してしまうこともあります。
1-2.体幹の筋力低下と姿勢の崩れ
妊娠中や出産後は、体力が低下しやすく、特に体幹や背筋の筋力が弱くなります。これにより、正しい姿勢を保つための筋力が不足し、肩や首に過度な負担がかかりやすくなります。
前出のアンケート調査では、抱っこ紐の装着方法について「肩ストラップが長く、乳児の位置が下がっている」など力学的に負荷の大きいケースが見受けられ、それにより猫背が助長され、肩こりや腰痛の原因になっていると指摘されています。
1-3.寝不足やストレス
睡眠は、体が一日の疲れをリセットし、筋肉や神経系を回復させる大切な時間です。寝不足の状態ではこの回復が十分に行えないため、筋肉の緊張が残りやすくなります。結果として、肩や首の筋肉が常に硬直し、慢性的な肩こりが引き起こされることがあります。
睡眠不足は自律神経にも影響を及ぼし、ストレスを感じやすくなります。自律神経が乱れると、交感神経が優位になりやすく、筋肉が緊張したままリラックスできません。この緊張状態が続くと、肩こりが引き起こされるだけでなく、慢性的な痛みが増す原因にもなります。
肩こりを放置すると、痛みや不快感が増し、
- 頭痛
- 腕や手のしびれ
- 疲労感の増大
など健康への悪影響を引き起こす可能性もあります。なるべく早めに肩こりを解消することが大切です。
2.肩こりを解消するストレッチ
ストレッチは、産後の肩こり解消に効果的な方法です。肩周りの筋肉を意識して伸ばすことで、筋肉の緊張がほぐれ、肩こりを予防できます。ここでは、私が肩の疲れを感じた時に取り入れているストレッチの方法をご紹介します。
2-1.肩の上げ下げ
やり方
- 吸う息で両肩を耳に近づけるようにして肩をすくめる。
- 吐く息で肩を後ろに回しながら、下にゆっくり引き下げる。
- 呼吸に合わせて、5回繰り返す。
2-2.首を前に倒す
やり方
- 両手を頭の後ろで組む。肘は左右に開かずに閉じておく。
- 吸って背筋を伸ばし、吐く息で顎を胸に近づけるようにして頭を前に倒す。
- 首の後ろから肩にかけて、背中の上部が伸びているのを感じながら20〜30秒キープする。
2-3.クロスボディストレッチ
やり方
- 右腕を肩の高さで左へ伸ばし、左の肘を絡ませる。
- 吐く息に合わせて手前に引き寄せ、右肩の付け根を伸ばす。
- 右肩はリラックスして、耳から遠ざける。そのまま3呼吸キープし、反対側も行う。
2-4.頭の後ろで腕を引く
やり方
- 右腕を上に伸ばし、肘を曲げて、右手の小指側を後頭部に当てる
- 左手で右肘をつかみ、右肘を後頭部の方へ引き寄せるように力を加えながら、腕の外側や脇の下が伸びているのを感じる。
- 余裕があれば頭と肘で押し合う。20〜30秒キープし、反対側も行う。
3.肩こりに効果的なヨガのポーズ
上記にご紹介したストレッチに加えて、ヨガのポーズを実践することで、産後の肩こりに非常に効果的な解消方法です。ヨガには、深い呼吸と柔軟な動きを取り入れることで、肩や背中の筋肉をほぐし、リラックス効果を高める効果があります。以下に産後の肩こりにおすすめのヨガポーズをいくつか紹介します。
3-1.キャットアンドカウ
やり方
- 四つん這いから吸う息で背中を軽く反らせ、胸を両腕の間に送り込む(牛のポーズ)
- 吐く息で背中を丸めて肩甲骨を上に引き上げる(猫のポーズ)
- 呼吸に合わせてこの動きを何度か繰り返す。
3-2.針の糸通しのポーズ
やり方
- 四つん這いから右手を手のひら1枚分前におく。
- 左の手のひらを上向きにして、右の腕の下を通るようにしながらまっすぐ右側へスライドさせる。
- なるべくお尻の高さは変えないようにして、左のこめかみと肩をマットへおろす。
- 背骨が緩やかにねじれていることを感じながら、目線を斜め上に送り、呼吸を続ける。
- さらにポーズを深めたい方は、右手を上へ引き上げるか、頭の先遠くへ伸ばす。
3-3.コブラのポーズ
やり方
- うつ伏せから胸の横に手のひらをついて、脇を締める。
- 吸う息で腰から背中を長く伸ばしながら胸と頭を持ち上げる。
- お腹の力が抜けないように注意して、肩甲骨を寄せ合い、顎を引いて3呼吸キープする。
4.まとめ
産後のママが悩まされがちな肩こり。育児中は赤ちゃんの抱っこや授乳、おむつ替えなどによって、どうしても肩や首に負担がかかりやすくなります。
この記事では、肩こりの解消に効果的なストレッチやヨガのポーズをご紹介しました。
簡単な動きで、日常生活に取り入れやすい内容なので、ぜひ隙間時間を使って取り組んでみてください。
呼吸に合わせて行うことで、リラックス効果も高まり、心身ともにリフレッシュできますよ。
毎日少しずつ続けて、育児の疲れを癒し、肩や首の痛みを和らげましょう!
産後ヨガ講師。公民館や児童館での子連れヨガレッスン開催や、産後の心身のケアについて執筆を通して、ママのサポートに励んでいる。プライベートでは2人の男の子の子育てに奮闘中。